懐かしさに全力パンチ

皆様、全力パンチしたい相手はいますか?

レジの順番を抜いてきたハゲオヤジ!
車からタバコの吸い殻ぽいっした女!
正義面したテレビのコメンテーター!

全員まとめて、全力パーーーンチ

て、出来たらいいですよね。私が殴りたい相手は「懐かしさ」に溺れてる自分です。

長い就職活動を終え、一息ついたのでそろそろお芝居に携わってみようと思いました。コロナも落ち着いてきたし、劇場も活発になってきた。よしよし、良い感じ。

友人が舞台に立つらしく、ウキウキ気分で劇場に入ったわけですが…

出てきて最初の感想が

「そうそう、懐かしい。小劇場ってこんな感じよね」

でした。素直に、何も考えず、こんな言葉が口をついたことに、しばらく時間が経ってから気づきました。

既に私の中で演劇が懐かしいものになっていた。びっくりです。たった1年ちょっとお休みしただけで、何を偉そうにノスタルジー枠に収めているんだ、と。

別の劇団に携わっている時にもこの懐かしさは私を襲いました。何枚チラシを刷るだとか、何席用意するだとか、そんな話にいちいち「あー、そうそう演劇ってこんな感じこんな感じ」と懐かしんでみたり…。

そんな懐かしさに、全力パーーーーーーーーンチ!

私にとって演劇は懐かしむものじゃない、むしろ懐かしむものになってしまっていることを悲しむべきなんだと思います。

かつて燃やしていた情熱を冷めた目で嘲笑するのはいとも容易いことです。しかし、その情熱の価値を改めて認識することの方が大切なのではないでしょうか。

あの時の演劇に対する情熱、取り戻したい。その為には、懐かしいと思う自分の甘さに全力パンチしなくては!

冬の始まり。皆さまは全力パンチなぞせず、お体に気をつけてお過ごしください。

豊田莉子

劇団つちの娘

We are the theatle Company inKyoto

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